好きなひと

映画を観ていてふと思った
わたしって
好きな人に囲まれている
会いたいひととばかり会っている
連絡を取りたい人に連絡を取っている

なんて贅沢なことなんだろう

好きなものだけに囲まれて生活したい
と、よくいうけれど
それにはまだ整理整頓が足りないけれど
周りには好きなひとばかりいる

もちろん仕事などの関わりもあるから
すべてがすべてではないけれど
それは仕事という括りがあるから

さて逆に
わたしが死んだときに
そのすべての好きな人がそれを知ってくれるかどうかは
はなはだ自信がないけれど
それはそれでいいかなとも思う
いま好きなひとと
ひととき嬉しい時間が持てればいい
きっと
わたしの心の中にそれがうすく重なっていっているように
だれかの胸の中にもすこしだけ色をつけていくことだろう
一枚では透明でわからないほどの淡い色
それくらいでちょうどいい